働き方改革による「中小企業の割増賃金率引き上げ」について

 

「働き方改革関連法案」により、2023年4月から、中小企業にも月60時間を超える時間外労働の割増率(50%以上)が適用されることとなりました。(以下の図1参照)

 

 

 

   

 

    

 

 

 

 

 

 

 

                    

 

図1 時間外労働の割増賃金率

 

 

 

●中小企業の定義

 

製造業・その他の業種  従業員が300人以下または資本金が3億円以下

 

卸売業         従業員が100人以下または資本金が1億円以下

 

小売業         従業員が50人以下または資本金が5000万円以下

 

サービス業       従業員が100人以下または資本金が5000万円以下

 

 

 

●具体例(時給単価2000円の社員の場合)

 

月80時間残業した場合に、1時間あたりの残業代がいくらになるか計算してみましょう。

 

改正前 2000円×80時間×125% = 20万円

 

改正後 2000円×60時間×125% + 2000円×20時間×150% = 21万円

 

※注意点は、コストアップと、残業時間が60時間までと60時間を超えた分を分けて計算しなければならない点です。

 

 

 

●未払金に注意

 

上記の割増賃金を支払わない場合には、罰則(6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が課せられます。これを機に残業時間が多い場合は業務自体の見直しや、引上げ分の割増賃金の代わりに有給休暇を与える等の早めの対策を講じてみてはいかがでしょうか。