~人材活用に影響を与える、労働関連の法改正の動向やポイントについてご紹介~

 労働契約法の特別法である「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が平成26年11月28日に公布されました。 

労働契約法第18条は、同一の労働者との間で有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合には、労働者の申込みにより無期労働契約に転換できる旨を定めていますが、この特例として、5年超に延ばすことができる特別法であり、概要は以下の通りとなっています。 

 

【この法律が改正された背景】

 これまで、例えば、2020年の東京オリンピックに関する事業のように5年を超えるプロジェクトでは、プロジェクトが5年経過することが見込まれているところ、プロジェクトの終期は決まっているため雇用を保障することはできず無期転換をすることはできない、他方で、5年経過前に途中で雇止めをして人を代える等しなければならないことはプロジェクトに今まで携わっていた経験等が失われてしまうことになり、プロジェクトの進行に関わるといった問題が指摘されていました。

また、60歳の定年で退職し、その後嘱託社員として有期雇用で働き始めたにもかかわらず、労働契約法の通算5年が近づいてきたため、本人としてはそのまま有期雇用で働き続けたい希望があるにもかかわらず、使用者側が無期転換のリスクを考慮して、その前に雇止めしてしまう、その結果、雇用が失われてしまうという不都合も指摘されていました。

 上記の問題に対処するため、この5年ルールに特例が設けられることとなりました。

 

【特例の対象となる労働者】

  (1) 5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に従事する、高収入、

     かつ高度な専門的知識・技術・経験を持つ有期雇用労働者。

  (2) 定年後(60歳以上に限る)に、同一の事業主に引き続き雇用される有期雇用労働者

 

【特例の対象となる事業主】 

対象労働者に応じた適切な雇用管理の措置に関する計画書を提出し、厚生労働大臣から認定を受けた事業主。認定には、厚生労働大臣が策定する、対象労働者に応じた適切な雇用管理の実施に関する基本的な指針に照らして適切なものであることが必要。 

 

【特例の具体的な内容】 

  次の期間は無期転換申込権が発生しない。

  (1)の労働者:一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)

  (2)の労働者:定年後に引き続き雇用されている期間

 

【施行日】

 2015年4月1日

 

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