受動喫煙防止対策の推進について
平成26年6月、国会において、労働安全衛生法の一部を改正する法律が可決されました。中でも今回は受動喫煙防止対策の推進についてご紹介致します。
たばこの煙にはニコチンの他、アセトン(ペンキ除去剤に含まれる)やヒ素(殺虫剤に含まれる)、トルエン(工業溶剤に含まれる)等多くの化学物質が含まれています。これらにより、喫煙者が脳卒中や肺がん、心筋梗塞等にかかるリスクが大きいということはご存知のことと思いますが、喫煙は、本人はもとより、その周りの人にも影響を及ぼすことがどんどん明らかになっています。
受動喫煙からの主な健康被害
すぐに症状が現れるもの●目や喉の痛み ●心拍数の増加など
長期的な影響◆肺がん ◆脳卒中 ◆副鼻腔がん ◆心筋梗塞など ◆子宮頸がん ◆糖尿病など
妊婦・新生児への影響・流産 ・早産 ・新生児の低体重化 など
これらの報告を受け、世界保健機関でも受動喫煙防止への条約が可決されています。日本では国としての対策が遅れていましたが、今回の改正により、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進等、必要な援助に努めることとなりました。それが下記の3つです。
1:受動喫煙防止対策に関する無料相談窓口の設置・喫煙室の設置や喫煙エリアにおける浮遊粉じんの濃度基準への対応など各種の相談について、専門家による無料電話相談を実施・経営者、人事担当及び安全衛生担当者を対象とした説明会を全国で実施・企業の研修等に講師を派遣し、受動喫煙防止対策について説明
2:たばこ煙の濃度等の測定機器の無料貸し出し・職場の空気環境を確認するために、換気の状態等を測定する機器の無料貸し出しを実施・研修等で専門家による実演を交えながら、測定方法を説明
3:受動喫煙防止対策助成金・職場での受動喫煙を防止するために、喫煙室の設置を行う際の費用の一部を助成
助成対象・・・一定規模のすべての業種の中小事業主(労災保険の適用事業主であること)
助成内容・・・喫煙室の入り口において、喫煙室内に向かう風速が0.2m/s以上の要件を満たす喫煙室の設置(改修も含む)の為の費用
助成率等・・・上記費用うち、工費・設備費等の1/2(上限200万円)※その他諸要件がございますので詳細はお問い合わせください※
現在は努力義務となっている受動喫煙防止対策ですが、今後は義務化されることも充分考えられます。情報を集め、早め早めに対策をとっていくことが重要です。